「国内最高レベルの競技大会」に参加する
アスリートとサポートスタッフのみなさんへ
「全日本スキー選手権大会」の出場前に知っておくべき
アンチ・ドーピングルール
すべてのアスリートは、ドーピングのない、クリーンでフェアなスポーツの環境で平等に競い合う権利を持っています。
あなた自身のクリーンスポーツに参加する権利を守ること、そして、あなたと大会に参加する他のアスリートの権利も守るために、あなたの積極的な「アクション(行動)」が必要です。
アンチ・ドーピングのルールは、競技規則と同じく重要なルールです。自信をもってルールにもとづいたアクションをするため、アンチ・ドーピングのルールを理解し、
あなた自身が大切にしたいスポーツの価値や、あなたの価値観にもとづくクリーンスポーツ・アクションを習慣化することを目指しましょう!
※RTP/TPアスリートの方はこちらもチェック
「国内最高レベルの競技大会」とは?
アンチ・ドーピングにおける「国内最高レベルの競技大会」(=国内レベル競技大会)を、毎年度、JADA(日本アンチ・ドーピング機構)がホームページで公開しています。
日本アンチ・ドーピング規程において、「国内最高レベルの競技大会」に参加するアスリートは、<国内レベルアスリート>として定義されます。
<国内レベルアスリート>は、日本アンチ・ドーピング規程に従う必要があります。
ポイント
- 最新の「国内最高レベルの競技大会」一覧で、自身が参加する大会の確認が必要!
- 「国内最高レベルの競技大会」は、競技会検査が実施される大会の一覧ではありません!
- 日本アンチ・ドーピング規程に基づき、<国内レベルアスリート>がTUE申請をする場合、大会の30日前までにJADAへの申請が必要!
スポーツの価値から、クリーンスポーツの意義を考えてみよう
さらにチェック!
ルールを確認して、クリーンスポーツ・アクション!
<国内レベルアスリート>のクリーンスポーツ・アクション!
禁止されている物質と方法を確認する
アスリートは体内に摂り入れるもの全てに責任(厳格責任)を持たなくてはなりません。
専門家に相談したうえで、体内に摂り入れるものに禁止物質が含まれていないことを、アスリート自身が確認し、確認した記録を保管する必要があります。
■禁止表国際基準
スポーツで禁止されている物質と方法は、「禁止表国際基準」に記載され、少なくとも1年に1回(毎年1月1日)に改定されます。
■禁禁止物質や禁止方法の確認
アスリート×DRO×スポーツファーマシスト=安心トライアングル
薬を使用する前に、Global DROで検索、専門家(医師・薬剤師等)に禁止物質・方法以外での治療を相談することで、必ずダブルチェックをしましょう。
Global DRO
クリーンスポーツ行動チェックリスト
- 「禁止表国際基準」の最新版にアクセスできる
- 薬を使用する前に、Global DROで禁止物質を検索することができる
- 薬を使用する前に、専門家(医師・薬剤師等)に禁止物質や禁止方法でない治療の相談ができる
- Global DROの結果や、専門家に相談した履歴を保管できる
治療で使用する禁止物質を申請する
アスリートには、「健康でスポーツに参加する権利」があります。
その権利を守るために、治療使用特例(TUE)という、アンチ・ドーピング機関に申請し承認を得ることができれば、アスリートが治療のために禁止物質・禁止方法を[特例]として使用することができる、グローバルなルールがあります。
自身の権利を守るために、TUEのルールと手続きを正しく理解、行動することが大切です。
■治療使用特例(TUE)
TUEを取得するための条件は4つあります。その全てを満たすことができないと、TUEは付与されません。
TUEが付与されていない状態で禁止物質や禁止方法を使用するとアンチ・ドーピング規則違反となります。
■TUEの申請先と申請のタイミング
<国内レベルアスリート>がTUE申請をする場合、原則、大会の30日前までにJADAへの申請が必要です。
また、申請書にはアスリートが記入する箇所と、禁止物質や禁止方法を処方した医師が記入する箇所があります。医師に協力をしてもらうために、TUEのルールを伝えることもアスリートがとるべき行動です。
TUEチェッカー
クリーンスポーツ・メディカルインフォメーション
医師のためのクリーンスポーツサイト
クリーンスポーツ行動チェックリスト
- TUEのルール、取得するための4つの条件を医師に説明できる
- TUEの申請先、申請のタイミングを確認できる
- TUE申請書を不備なく準備することができる
自信をもってドーピング検査に対応
アスリートは自分がクリーンであることを証明するために、いつでも・どこでもドーピング検査に対応する責務があります。
ドーピング検査のセッション中の責務と権利を正しく理解して、最後まで責任を持って検査に対応しましょう。
■ドーピング検査
いつでも・どこでもドーピング検査に対応することは、アスリートの責務であり、アスリート自身がクリーンであると証明する手段です。
ドーピング検査には、尿検査と血液検査があり、国際基準で定められた統一の手続きで実施されます。
アスリートには、国や地域、競技、障がいの有無に関係なく、透明性の高い検査を受ける権利があり、守られています。
■ドーピング検査を受けるときの、権利と責務
ドーピング検査の通告を受けてから、アスリートには権利(できること)と責務(やらなくてはいけないこと)があります。不明な手順は検査員(DCO)に質問することができます。
マンガムービー「検査手順」
18歳未満競技者親権者 同意書
クリーンスポーツに参加するみんなの権利
クリーンスポーツ行動チェックリスト
- ドーピング検査がなぜ必要か説明できる
- ドーピング検査時の権利と責務を理解し、行動できる
- ドーピング検査時に不明なことがあった時は、検査員に質問できる
サプリメント使用のリスクを確認する
アスリートは体内に摂り入れるもの全てに責任(厳格責任)を持たなくてはなりません。
サプリメントによるアンチ・ドーピング規則違反が国内外でも多く発生しています。サプリメントに禁止物質が含まれていないという保証はできません。厳格責任の観点から、サプリメント使用のリスクを確認しましょう。
■サプリメントにはリスクがある
サプリメントは、「食品」で、医薬品ではありません。食品には、含まれている全ての成分を表示する法的な義務がありません。
よって、ラベルなどに禁止物質の記載が無かったとしても、そのサプリメントに禁止物質が含まれていないという、絶対的な保証はできません。
■サプリメントの使用は本当に必要?
どんなサプリメントであっても、アンチ・ドーピング規則違反のリスクをゼロにすることはできません。
摂取する栄養は、Food First(食事第一)のアプローチを!アスリートの厳格責任の観点から、自身にとってサプリメントの使用が本当に必要なものか再度見直してみましょう。
クリーンスポーツ行動チェックリスト
- サプリメントのリスクを正しく説明できる
- Food First(食事第一)のアプローチが実践できる
- 厳格責任の観点からサプリメントのリスクを考え、自身にとってのサプリメントの必要性を検討できる