血液検査の手順(ステップ)
血液検査は、以下の手順で行われます。
検査に対応する際、検査手順についてわからないことがあれば、いつでもどのようなことでもDCO/BCOに質問することができます。
1.通告と待機
- DCO(またはシャペロン)から検査への通告を受けた場合はDCO(またはシャペロン)の身分を確認する。
- DCO(またはシャペロン)から検査におけるアスリートの権利と責務に関する説明を受け、「通告書」に署名をする。
- 速やかに検査室(Doping Control Station :DCS)に移動。検査が終了するまで常にDCOが同行する。検査終了までDCOの視野の範囲で、DCOの指示に従う。
- 採血前に椅子に座り、両足を地面につけた状態で10分間安静にする。
注意!
- 10分間の安静中に立ち上がると、その後座った時点から再度10分間安静に座り続けなくてはなりません。
- 採血前に運動していた場合は、運動終了後2時間安静にした後に採血となることがあります。
2.書類作成・体調確認
- DCOから渡された重要事項などが記載された書類をよく読み、必要事項を記入してください。
- BCOから問診が行われます。体調不良やアレルギーなどは必ず申し出ましょう。
注意!
- 採血時の器具でアレルギー反応を起こしてしまう方がいます。ゴムやアルコールにアレルギー反応がある方は、事前にBCOに伝えてください。
- 過去の採血時に気分が悪くなったことがある、失神したことなどがある方は、BCOに必ず事前に伝えてください。
3.キット選び・確認開封
- 検査に使用する器具を複数の中から選び、アスリート自身で破損や汚れがないことを確認。
- 問題がなければキットを開封し、DCOの指示に従い、キットを机の上に置く。
- バーコードシールとサンプルキットの検体番号が全て一致しているかを確認。
- DCOが採血管に検体番号の貼付する面を確認。
4.血液採取・止血
- 採血は原則として利き腕以外で実施。
- 採血後、BCOの指示をしっかり聞き、自身で止血をする。
注意!
- 採血の際はリラックス!
- 原則は利き腕以外で採決をするが、BCOが他方の腕がより適切と判断し、採血を行う場合があります。
- 内出血予防のため、採血後30分間は採血した腕を激しく使う運動等は避けてください。
- 採血量が不十分な場合、最大3回までBCOが採血を試みる場合があります。
5.検体封印作業
- 採血管に貼られた検体番号とサンプルキットのフタ、ボトルの番号が全て一致しているかを確認する。
- カチカチという音が鳴らなくなるまで、フタを締める。
6.書類作成・控えの受取
- 検査の日より7日前から使用した薬やサプリメントを申告。
*申告すべきか迷う場合は、申告することを推奨します。 - ドーピング検査全体を通してのコメントがあれば、所定の書類に記入。
- 個人情報、サンプルキット番号、その他、記載事項に間違いがないことを確認し、公式記録書に署名。
- 検査書類のコピーを受け取る。(ペーパーレスシステムの場合は、メールで受信)
- 検査書類は競技を続けている間は、自身で大切に保管を。
注意!
- 病気や怪我の治療を目的として禁止物質や方法を使用する場合、事前に治療使用特例(TUE)の申請が必要です。
- 検査員はTUE申請を受け付けられません。
- 薬・サプリメントの申告や検査に関するコメントは、海外での検査であっても、母国語で記入できます。
乾燥血液スポット(DBS)
乾燥血液スポット(Dried Blood Spot :DBS)という、WADA認証の新しい検体採取・分析方法で、血液検体を採取する時のアスリートの負担を軽減できます。
指先や上腕部の毛細血管を穿刺(せんし)し、採取した血液をろ紙などに塗布し、乾燥させるものです。
乾燥させた状態で、搬送・分析・保管することができます。
- DBSのイメージ
- アスリートの役割・責務
- 通常のドーピング検査(尿・血液)と同じです
- 検体採取箇所
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- 指もしくは上腕(使用する検体採取キットにより異なる)
- BCOが適切な採血個所を選択
- 採血個所の希望 (右手・左手、中指・薬指等) を伝えることは可能(最終的に決めるのはBCO)
- 手が冷えているので「採血前に手を温めたい」という希望を伝えることも可能(最終的に決めるのはBCO)