遡及的TUE申請
国際レベルアスリートと国内レベルアスリートは、治療を目的として禁止物質または禁止方法の使用が必要な場合、その物質や方法を使用するまたは保有する前に、申請を行い、TUEを取得しなければなりません。
しかし、以下のいずれかに当てはまる時には、遡及的(さかのぼって)TUE申請ができます。
Code 4.4.5ISTUE 4.1
国際・国内レベル以外のアスリートは、遡及的申請が可能です。➡ ②を確認
①緊急治療や救急症状の治療で禁止物質や禁止方法を使用した時
この場合、通常のTUE申請書類に加え、「緊急性を証明する医療記録(所見・臨床検査結果等)」が必須です
②国際レベルアスリートまたは国内レベルアスリート以外のアスリートが治療を目的に禁止物質または禁止方法を使用した時
国際レベルアスリート、国内レベルアスリート以外のアスリートが受けたドーピング検査で、禁止物質・方法が検出された場合、JADAからアスリートに対して連絡を行います。連絡を受けた後に、アスリートが遡及的申請を行うことができます。
*遡及的TUE申請を行わなかった場合、アンチ・ドーピング規則違反に問われる可能性があります。遡及的TUE申請を行っても、TUE付与条件を満たさない場合は、TUEの付与はされません。
③アスリートが治療目的のために、競技会(時)においてのみ禁止された禁止物質を、競技会外で使用した時
競技会より前に使用された「競技会(時)においてのみ禁止された禁止物質」がアスリートの体内に残り、競技会でのドーピング検査で、禁止物質が検出された場合、JADAからアスリートに対して連絡があります。アスリートは連絡を受けた後、遡及的TUE申請を行うことができます。
*申請を行わなかった場合、アンチ・ドーピング規則違反に問われる可能性があります。遡及的TUE申請を行っても、TUE付与条件を満たさない場合は、TUEの付与はされません。
④ドーピング検査を受ける前にTUE申請を提出する、またはその審査を受けることの妨げとなる、時間や機会の不足、または他の例外的な事情があった時
例)予期せぬ感染症拡大により、担当医師がTUE申請書類の対応が難しかった 等
⑤国の政策上の要請や重要課題によって、JADAが検査配分計画において特定の競技を優先させるために、他の競技のアスリートからのTUE事前申請に関する検討を差し控える時
*現在、⑤に当てはまる方針はJADAにはありません。
*今後、⑤の方針を当てはめる場合、JADAはアスリートの権利を守るために、JADA Webサイトでその方針を公表します。
遡及的申請においても、通常のTUE取得の条件を全て満たす必要があります。
特に③で遡及的申請を行う場合は、TUE取得の条件を満たすことを証明するために、医療記録を作成し、準備しておくことが大切です。