禁止表国際基準
スポーツにおいて使用が禁止される物質と方法を、それぞれ「禁止物質」・「禁止方法」といいます。禁止物質と禁止方法は、全世界・全スポーツ共通のルールとして、世界アンチ・ドーピング規程の国際基準の1つである「禁止表国際基準(Prohibited List:禁止表)」に掲載されています。
Code 4
禁止表の更新
禁止表は、少なくとも1年に1回(毎年1月1日)改定されます。
Code 4.1
最新の科学的根拠及びスポーツにおける濫用状況の厳格なモニタリングにもとづいて1年を通して数回変更になることもあるため、最新の禁止表の確認が必要です。
最新の禁止表は、JADA Webサイトで確認しましょう。
禁止表への掲載の判断基準
禁止表に掲載される物質や方法は、以下の3つの要件に照らし合わせて世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が検討・決定を行います。
Code 4.3
以下の3つの要件のうち、いずれか2つの要件を満たすとWADAが判断した場合、その物質や方法を禁止表に掲載することを検討します。
- その物質や方法が、競技力を向上させるという医学的な証拠や薬理効果、実績が存在する場合
- その物質や方法の使用が、アスリートに健康上の危険性を及ぼすという医学的な証拠や薬理効果、実績が存在する場合
- その物質や方法の使用が、スポーツの精神に反する場合
また、その物質や方法によって他の禁止物質や禁止方法の使用が隠蔽(いんぺい)される可能性があるという医学的な証拠、そのほかの科学的証拠、薬理効果、または実績経験が存在するとWADAが判断した場合、禁止表に掲載されます。
WADAによる禁止表への掲載、禁止表における区分の分類は、最終的な判断となり、全世界・全スポーツのルールとして適用されます。
禁止表の注意点
- 禁止物質は、「物質名」で禁止表に記載されています
- 禁止表には、禁止される全ての物質名の記載があるわけではありません。物質の種類によっては、「例示」のみが禁止表に記載されています。よって、禁止表に個別の物質名が記載されていないものでも、スポーツにおいて使用が禁止されている物質もあります
- 薬の商品名では記載されていません
- 禁止表には漢方薬や抽出物は含まれていません
自身が摂取する薬に禁止物質が含まれていないかどうかは、必ず使用前に、医師や薬剤師などの専門家に確認してください。