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資格停止期間を決めるルール

違反の内容、自身の主張内容及びその立証程度により、資格停止期間が決まります。

資格停止期間

制裁期間は、違反した項目、体内から検出された禁止物質がいかに体内に入ったかと、その物質の接種が「意図的」でなかったかをアスリートやその他の人が証明できたか等で増減します。また、複数回の違反は、永久資格停止となる可能性があります。

資格停止期間のイラスト

違反の内容:基本的な制裁期間

制裁期間 4年

  • 採取した尿や血液に禁止物質が存在すること Code 2.1
  • 禁止物質・方法の使用またはその企て Code 2.2
  • ドーピング検査を拒否・避ける・実行しないこと Code 2.3
  • ドーピング・コントロールのいかなる過程において不正干渉をすることまたは不正干渉を企てること Code 2.5
  • 正当な理由なく禁止物質・方法を持っていること Code 2.6
  • 禁止物質・方法を不正に取引し、入手しようとすること Code 2.7
  • アスリートに対して禁止物質・方法を使用または使用を企てること Code 2.8
  • アンチ・ドーピング規則違反を手伝い、促し、共謀し、関与する、または関与を企てること Code 2.9

制裁期間 2年

  • 居場所情報関連の義務を果たさないこと Code 2.4
  • アンチ・ドーピング規則違反に関与していた人とスポーツの場で関係を持つこと Code 2.10
  • ドーピングに関する通報を阻止したり、通報者に対して報復することCode 2.11

特定物質・方法

「禁止表国際基準」に記載されている物質は、「特定物質」または「特定物質でない物質」に分類されます。

  • [特定物質]の違反の場合、アンチ・ドーピング機関側がアスリートによる意図的な使用を立証しない限り、最大2年間の資格停止期間となります。
  • [特定物質でない物質]の違反の場合、アスリートが意図的な使用ではないことを立証しない限り、原則4年間の資格停止期間となります。

[特定物質 (specified substance)]とは、競技力向上以外の目的でアスリートより使用される可能性が高い物質です。[特定物質]は、他のドーピング物質と比べ重要性が低い、危険性が低いという訳ではありません。

「意図的」であること

Codeにおいて「意図的 (intentional)」とは、以下のことを言います。
Code 10.2.3

  • 自身の行為が、アンチ・ドーピング規則違反であることを認識した上でその行為を行った
  • 自身の行為が、アンチ・ドーピング規則違反であること、もしくは違反の結果に至りうる重大なリスクがあることを認識しつつ、そのリスクを明らかに無視する

濫用物質

「濫用物質 (Substances of Abuse)」とは、スポーツの領域以外で、社会において使用される頻度が多くある(濫用されている)ため、禁止物質として具体的に特定される物質のことです。
(例:コカイン、ヘロイン、 MDMA、テトラヒドロカンナビノール/THC)
※具体的な物質は、毎年の禁止表国際基準において指定されます。
濫用物質が起因となる違反は、アスリート自身が、①競技会外での使用、②競技力向上とは無関係であることを立証した場合にのみ、制裁期間が3か月間となる可能性があります。

関連リンク

実質的な支援

「実質的な支援 (Substantial Assistance)」において、違反を問われたアスリートやその他の人が提供した情報によって、アンチ・ドーピング機関が他の人による違反を発見したり、ドーピング以外のスポーツのインテグリティに関する何かしらの違反を発見することにつながった場合には、資格停止期間の執行猶予となる可能性があります。
ただし、提供された情報がアンチ・ドーピング機関の支援につながらなかった場合、もしくは完全、かつ信頼性を有しない場合は、資格停止期間は猶予されません。
Code 10.7.1

実質的な支援による資格停止期間は、アスリートやその他の人による違反の重大性と、その他の規則違反の発見やスポーツのインテグリティの違反を根絶するための情報であったかにより決まります。実質的な支援を提供しても、猶予される期間は元々の資格停止期間の3/4を超えません。

早期の自認及び受諾

アンチ・ドーピング機関から、4年以上の資格停止期間を伴う違反の可能性についてアスリートが通知を受けてから20日以内に、違反及びアンチ・ドーピング機関から主張された資格停止期間を自認した場合には、資格停止期間が1年間だけ短縮される合があります(この場合、聴聞会は開催されません)。
Code 10.8.1

事案解決合意

アンチ・ドーピング機関より、アンチ・ドーピング規則違反について責任を問われてから、アンチ・ドーピング規則違反を自認し、アンチ・ドーピング機関とWADAが合意した場合には、違反の内容及び違反を自認した迅速さによって資格停止期間が短縮される可能性があります。
Code 10.8.2

加重事情

標準的制裁措置よりも厳しい措置が求められるような悪質な状況があった場合、2年間を上限とする追加の資格停止期間が加重される(加えられる)ことがあります。

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